26. 企業が知っておくべき情報セキュリティポリシーとは

情報セキュリティポリシーとは、組織における情報セキュリティ対策について、総合的、体系的かつ具体的にまとめたものです。企業の情報資産を守るためには、従業員全員が情報セキュリティポリシーを理解し、一丸となって情報漏洩の防止に努めることが大切です。

情報セキュリティ対策に欠かせない情報セキュリティポリシー

企業における情報セキュリティ対策を考える上では、まずどういった基準によって対策を考えるかといったルール作りが必要です。企業で実施する情報セキュリティ対策の基本方針や行動指針をまとめて文書にしたものを「情報セキュリティポリシー」と言います。

情報セキュリティポリシーでは、どのような情報資産を、どのような脅威から、どのようにして守るのかといった基本的な考え方をまず明らかにします。そして、情報セキュリティを確保するための体制や運用規定、基本方針、対策基準なども具体的に記載するのが一般的です。

情報セキュリティポリシーは何のために作成するのか?

情報セキュリティポリシーを作成する目的は、企業がもっている顧客情報や販売情報などの情報資産の外部への漏えいを防ぐことです。また、情報セキュリティポリシーを作成することによって、従業員の情報セキュリティに対する意識を向上させることもできます。

情報セキュリティ担当者だけがパソコンやネットワークの情報セキュリティ対策を心がければ良いわけではありません。従業員全員が情報資産を共有している意識をもつことで、組織的な情報漏洩防止が可能になります。

さらに、情報セキュリティポリシーを作成して外部に発信することで、取引先や顧客からの信頼が増すという効果も期待できます。

情報セキュリティポリシーにはどんな内容を記載する?

情報セキュリティポリシーの内容については特に決まりはありませんが、「基本方針」「対策基準」「実施手順」の3つの構成をとるのが一般的になっています。

「基本方針」では、まず企業の代表者が情報セキュリティに対して本格的に取り組む姿勢を表明し、なぜ(Why)情報セキュリティが必要かについて記載します。また、何をどの範囲まで守るのか、責任者は誰かといったことについても明確にします。

「対策基準」では、「基本方針」で定めたことを受けて、何を(What)実践するかについて記載します。情報セキュリティ対策を行う上での具体的なルールを定め、適用範囲や対象者についても明確にします。

「実施手順」では、「対策基準」で定めたルールを実施する際にどのようにして(How)行うかの詳細な手順を記載します。「実施手順」に書かれたことをマニュアルとして具体的な対策が行われることになります。

企業がこれからどのようにして情報セキュリティ対策を行っていくかを考えるなら、あらかじめ情報セキュリティポリシーをまとめておくことが欠かせません。従業員の一人一人が情報セキュリティポリシーについて理解を深めることを目標にし、トラブルを未然に防止できる体制を整えましょう。

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