日本に住民票を有する人全員に12桁の番号を割り当てるマイナンバー制度は、平成28年1月よりスタートします。このマイナンバー制度により、我々の生活はどのように変わるのでしょうか。ここでは、マイナンバー制度のメリットについてご説明します。
マイナンバーは国民1人1人に割り当てられる番号
平成25年にマイナンバー法(行政手続きにおける、特定の個人を識別するための番号の利用に関する法律)が成立し、平成28年1月よりマイナンバー制度が開始することが決まっており、最近は政府による広報が積極的に行われています(平成27年7月現在)。
マイナンバー制度は、日本国内に住民票がある人全員に、12桁の番号が割り当てられるものです。この番号は一度付与されると、情報漏洩などによるトラブルなどがない限り、同じ番号を使用することになります。
マイナンバーは個人間でやりとりするものではなく、基本的には行政手続きでのみ使われるものです。ただし、全ての行政手続きでマイナンバーが必要なわけではなく、社会保障、税、災害対策分野において、法律や条例で定められている手続きのみで使用されることになっています。
マイナンバーにより国民の利便性の向上や行政の効率化が実現
マイナンバー制度が始まれば、行政機関の間での情報の連携が容易になるため、国民にとっては、行政手続きにおいて負担が軽減されるというメリットがあります。
具体的には、保険や年金などの社会保障給付の申請の際に、納税証明書などの添付書類を省略できるようになることが挙げられるでしょう。税金の確定申告の際にも、給与、報酬情報、年金、社会保険料の支払い情報などを、領収書ではなくコンピュータ上で管理できるようになるため、手間がかからなくなります。
また、行政側にとっては、マイナンバー制度導入により、情報の照合や転記の作業が減ることになるというのがメリットでしょう。無駄な時間や労力を減らすことができますから、行政全体の効率化に繋がります。
さらに、マイナンバー制度により、公平で公正な社会の実現が可能になると言われています。例えば、社会保障に関して、従来よりも正確な給付を行ったり、不正受給を防止したりできるようになるでしょう。税金の徴収に関しても、過少申告や不正還付などを防止することができます。
社会保障、税、災害対策分野でマイナンバーが必要になる
マイナンバーを利用できる場面は法律や条例で明確に定められており、それ以外の場面では利用できないことになっています。
マイナンバーが必要になるのは、社会保障、税、災害対策の分野での手続きです。具体的には、年金、雇用保険、医療保険の手続きや、生活保護、児童手当ての申請手続きなどが挙げられます。
確定申告の際にも、申請書などでマイナンバーの記載を求められることもあるようです。マイナンバー制度開始後は、こうした手続きの際に、住民票などの添付書類が不要になると言われています。
マイナンバーは平成27年10月以降通知される
マイナンバー制度は平成28年1月から開始しますが、それに先立って、平成27年10月以降、各市区町村から住民宛に、マイナンバーが通知されます。なお、マイナンバー通知の際には、市区町村から簡易書留で、マイナンバー通知カードが送られてくる予定です。
また、マイナンバー通知カードに同封されている申請書を使って、個人番号カードの交付を申請することもできます。個人番号カードは平成28年1月より交付されますが、これによりマイナンバーを参照することも可能になるようです。
マイナンバー制度は、導入することは決定しているものの、今度どのようにして制度を発展させていくかについては、まだ完全には決まっていません。政府による広報などの情報を随時確認しながら、今後の動向に注意を払っておきましょう。
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