長時間労働是正や非正規雇用労働者の処遇改善など、働き方改革には多くのメリットがあると言われています。
しかしその一方で、働き方改革の内容には問題点を指摘する専門家も少なくありません。
ここでは、働き方改革における問題点や会社経営者におけるデメリットを見ていきましょう。
会社経営者の負担
働き方改革は、定時で帰りづらい職場の雰囲気や「残業をすることが当たり前」という残業への捉え方、多すぎる仕事量によって生み出される長時間労働を是正させるために必要なものだとして多くの労働者に受け入れられています。
しかしその一方で、中小企業では、経営者自身も労働者の勤務時間状況を把握することすら困難な状況にあると言われています。
大企業の一部では、働き方改革を積極的に取り組んでいるところもありますが、取り組めるのは管理職に働き方改革における業務を任せることができるからです。
ただ、大企業であっても職種や事業の内容によっては労働者一人ひとりの能力を把握し、管理していくことは難しいでしょう。
どんなに生産性向上を目指そうと心掛けていても、経営者に向けてのフォローもなければ働き方改革も思うように取り組めないことが現状として見られます。
残業代ゼロには問題もある
今後、働き方改革に取り組む企業が増えていけば、企業からは相応しい能力や経験のある労働者が求められます。
特に働き方改革の「高度プロフェッショナル制度」は、残業代ゼロ法案とされていながら、年収1075万円以上の業種の労働者は対象外になっているのです。
成果を出すことができれば短時間労働で帰ることができますが、極限まで残業をさせることができるということにもなるため、スキルや経験がなければより負担になってしまうケースも考えられるでしょう。
また、成果を出すにはある程度スキルや経験も必要になってきます。
しかし、働き方改革によって強制的な定時退社が求められるようになれば、時間外労働がしにくく、能力を習得していくことも難しくなってしまいます。
労働者にとって、長時間労働を是正することについては嬉しいことでしょう。
ですが、しっかりとその企業で専門知識や経験を積んでいくために必要とされる残業までできなくなってしまっては、生産性向上につながりません。
残業代を生活費の一部として生計を立てている方にとっては、不要な残業が削減されることで残業代も減っていきます。
さらに強制的な定時退社や企業全体の業務自体に支障が出てしまうことにもなります。
こうしたことを踏まえても、働き方改革をただ取り入れるだけでは長時間労働の根本的な原因を解決することにならないのです。
労働者のモチベーションをアップさせるために
前述したように、大企業・中小企業問わず、働き方改革の取り組みを進めていくことによってもたらされるデメリットは様々なことが挙げられます。
企業にとっては、労働者の満足度とモチベーションを上げ、生産性向上に努めていく必要があります。
今後、多くの企業でAI技術やIT設備の活用が予想されていますが、これが労働者にとっては新たなストレスとなっていく可能性もあるでしょう。
無理な改革を進めていけば、働き方改革による業務の効率化を図ることができないばかりか、労働者へのプレッシャーや混乱を招く原因にもなります。
全ての企業が同じ働き方改革の取り組みを行うのではなく、自社の考えと労働者にマッチした方法で進めていく必要があるのです。
ここでは、働き方改革の問題点やデメリットについて述べてきました。
長時間労働是正は、労働者にとってメリットが大きいと考えられていますが、その一方で会社経営者や労働者にとってのデメリットもしっかりと理解しておく必要があります。
その企業にとってどのような働き方改革が必要なのかを経営者や労働者自身が考え、企業全体で取り組む姿勢が重要だと言えるでしょう。
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投稿日:2018年12月11日
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