07. 働き方革命で求められる女性の活躍!その課題と取り組みの現状とは?

結婚や出産などライフスタイルの変わりやすい女性は、男性社会が根強く残っていたこともあり、仕事でなかなか躍進できないところがありました。
しかし、働き方改革や女性活躍推進法により、女性の働き方や環境にも変化が見えてきているようです。
今回は、働き方改革と女性活躍推進法の関係性、また同法の取り組みとその現状についてご紹介しましょう。

女性労働者の雇用に関する働き方改革での課題

働き方改革に求められる労働力不足問題を解決するためには、「女性や高齢者を含む働き手を増やすこと」、「出生率を上げて将来的な働き手を増やすこと」が求められますが、それを実現するためには2つの課題があります。

長時間労働

日本の長時間労働は30~40代が特に多いと言われており、出生率にも悪影響があるとされています。
その理由は、長時間労働が望まれている年代と出産や育児が求められる年代が重なってしまうことから、女性は自身のキャリアを中断されてしまい、仕事と育児を両立できるかという不安などから出産に踏み切れないというわけです。
出産を選択しても長時間労働を強いられてしまうような環境だと育児や家事との両立を考えてしまい、職場復帰を難しくさせている状況でもあります。
また、この問題は父親が長時間労働によって育児や家事の協力を難しくさせており、配偶者からの協力を得られにくいことも女性が職場復帰しにくい現状に拍車をかけていると言えます。

雇用形態の格差

女性の場合、育児だけではなく自分の両親や配偶者の両親の介護を行っている方も多く、正社員で働くという選択肢を選びにくいところがあります。
しかし、正社員と非正規社員の待遇に格差があり、その待遇は正社員の時給で換算した賃金の約60%に留まってしまうと言われています。
アメリカの場合は約80%であるため、日本では正社員と非正規社員における賃金の格差は大きなものとなっています。

女性労働者を増やすためには長時間労働を減らし、また非正規社員も同等な立場や待遇で働ける改善や環境作りが求められます。
働き方改革の課題を乗り越え、女性が仕事でもっと躍進していけるように「女性活躍推進法」が施行されたのです。

女性活躍推進法の原則や取り組みの現状は?

女性活躍推進法が施行されたことで、女性の雇用や昇進などが義務化されるようになりました。
この政策では次の原則から推進されています。

  • 積極的に女性の採用や昇格などの機会や活用を与え、性別で固定された役割分担などを行う職場は改善を求めること
  • 仕事と家庭の両立を実現させるための環境を整え、円滑かつ継続的に行うこと
  • 仕事と家庭の両立に対して、女性労働者自身の意見を尊重すること

女性活躍推進法により様々な取り組みが定められており、301人以上雇用している企業に対しては義務化、300人以下は努力義務となっています。
取り組みは以下の通りです。

  • 女性の雇用比率や女性管理職の割合、労働時間など、社内で女性が活躍している実態を把握して課題を分析する
  • 分析した課題に基づいて課題解決に向けた適切な数値で目標と取り組み内容を決め、行動計画を策定して国に届け出て、周知や公表を図る
  • 女性の活躍を情報公開する

2017年12月時点で厚生労働省には、義務対象となる企業の99.7%(16,071社)が行動計画を届け出ていますが、努力義務を求められる事業主は3,866社と全体のわずか1%となっており、小規模の会社では取り組みが遅れているのが現状です。
なお、国は女性の就職選択に関する情報提供や就職紹介、啓発活動、企業支援などを行い、自治体でも働く女性の相談や助言などで女性の活躍を支援していく見込みとなっています。

女性の積極的な雇用や管理職の登用は、優秀な人材の確保や業務改善、また企業文化の革命など、たくさんのメリットが期待されます。
働き方改革で男性が育児・家事参加に積極的になれば、出生率の増加による人口減少や出生率軽減に歯止めをかけられ、将来的な労働力の増加につながっていくことでしょう。

投稿日:2019年01月30日

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