08. 働き方改革の影響で副業解禁!その背景と企業側のメリット・デメリットとは?

今まで、ほとんどの企業で副業を禁止していましたが、働き方改革により副業を容認する企業が増えていきました。
そもそも、なぜ働き方改革で副業を解禁する企業が増えたのか、企業の抱える課題や解禁するメリット・デメリットなどについてご紹介しましょう。

働き方改革で副業を解禁する企業が増えた背景

働き方改革は減少傾向にある労働力人口を増やすために、働き方や職場環境の改善、女性の活躍推進などを目的にしています。
2018年1月末に厚生労働省が就業規則のモデルケースに副業と兼業を追加したことで、副業を認める企業が増えていくと考えられています。
実際に日産自動車やロート製薬、富士通、Yahoo JAPANなどの企業で容認や解禁が始まっており、法律で副業が認められていない公務員も一部で副業が可能となるようです。
副業を解禁する企業が増えている背景は働き方改革にあり、副業を認めることでより社員が働きやすい環境に整えることができます。
その結果、人材の確保もしやすくなるという企業側の狙いもあり、どの業界でも深刻な人材不足の課題改善につながると期待されています。

副業解禁で残る懸念とは

副業の解禁に前向きな企業がある一方、未だ解禁に対して懸念を抱く企業も多くみられます。
その懸念とは、副業に力が入り過ぎてしまい本業が疎かになってしまうのではないかという点です。
業務の質が落ちれば企業の生産性も低下してしまい、大きな損失となる恐れもあります。
また、本業よりも副業の方が良いと比較され、離職されるリスクもあるでしょう。
このような懸念から副業を認めない、理解を示さない企業は多いのです。
これらの懸念を回避するためには、条件付きで解禁するという対策が効果的でしょう。
実際、上記でご紹介した副業を解禁している企業は事前申請や条件付きで副業を認めています。
例えば、日産自動車は働き方改革が行われる前の2009年から副業を容認していますが、臨時休業のみで勤務時間が8時間以内という条件で申請すれば認められます。
ロート製薬では社内での副業と複数の部門や部署を兼業する制度があり、人事部の面談で許可を得ると副業・兼業が可能となるのです。

副業を解禁するメリットとデメリットとは?

副業を解禁することで企業側にはどんなメリット・デメリットがあるのか、具体的に解説していきましょう。

メリット

多種多様な人材採用が可能となる

今までは副業ができないからという理由で入社を断念する人もいましたが、解禁により副業を希望する人材からの募集も増えます。
採用ができなかった人材も選択できるようになるので、人材不足を解消できると同時に、優秀な人材を確保しやすくなる可能性が高まるでしょう。

研修コストの軽減につながる

普段とは異なる仕事を行うことで、本業では得られなかった経験や学びを体験できるでしょう。
今までは社内研修でしか得られなかったスキルも副業で身に付けることができれば、研修コストを無駄にかける必要がなくなるといったことも考えられます。

デメリット

長時間労働のリスク

副業による社員の労働時間がより長くなってしまうことが懸念されています。
長時間労働により寝不足や疲労が蓄積すれば、本業に支障をきたす恐れがあるでしょう。
この問題を解決するためには副業をする上で労働時間や可能日など、規則を設ける必要があります。

副業の所在把握

もし副業の影響で過労死した場合、副業の所在を掴まなければなりません。
しかし、副業の所在を隠す人は多いので、把握できないリスクを考えると副業の容認が難しいと言えるでしょう。
こちらも事前申告制により所在を明らかにした上で行ってもらったり、社内での副業・兼業を認めたりするなどの工夫が求められます。

副業の解禁は様々な仕事に携わりたい人、家計の足しにしたいなど様々な理由から希望されますが、リスクの懸念から解禁していない企業も多くみられます。
しかし、企業側にもメリットはあるので、働き方改革の取り組みの1つとして取り入れることを検討してみてはいかがでしょうか。

投稿日:2019年02月04日

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